未来の作り手はどのような存在になってくるのであろうか。
少し前まで大工、棟梁はデザイナーであり、ビルダーであった。
その大工、棟梁が、デザイナー部分を建築家に奪われ、プレカット技術をもった人間機械にされてしまった今、デザイナーでありビルダーでもあることが許されているのは造園家、植木屋さんだけであろう。
そうなった理由の一つは、造園計画が図面化しづらい性格のものであること。
もう一つは、対象が自然、つまりああすればこうなるという、帰結が明瞭でないものを相手にしているからに違いない。
それであれば建築の職人達は今後どうなるのか。
どんな形態もコンピューターの力で図面化できるようになり、難しい仕事は工場で行われ、現場では単純な仕事だけが実行されるということであれば、職人はもう存在しなくなるのではないか。
熟練した技術は不要、替わって作り方マニュアルこそが職人像に代わるものとなるのではないか。
では、作り方マニュアルは誰が作るのか。
設計者を中心とした技術グループ。 建築家と現場監督さんと職人さんのグループである。
ここでは、未来の建築家像と職人像は完全に接近、殆ど重なり合って見えてくるだろう。
このような職人像、マニュアル像をもとに、建築家像も描きなおさなければなるまい。
建築家と構造設計家のコラボレーションに、その萌芽はすでに見えているのではないか。
「横から見た建築・都市」トップページに戻る
|