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2006.06
 
 

「美建設計事務所 石井修 設立50周年」の展覧会に顔を出した。
実際には始めて54年だという。
自身にあてて考えると、あと30年先、気の遠くなるような事務所歴である。 建築家人生は長い。

所長は、「天と地の家」をはじめ常に緑をテーマに設計を続けてきた、緑の先駆者である。
今頃になって、都市緑化、屋上緑化が話題となってもてはやされ、その先見性を証明している。

また自慢話を聞かされるのもどうかと思ったが、お祝いの席である。

最近の屋上緑化、やっと世の中が先生に追い付いてきましたね」と話をふってみた。
すると意外な返事が返ってきた。
「屋上緑化を何uすると都市熱が何度下がるとか、ましてや、屋上緑化を何uすると補助金がいくら下りるとかといった事で屋上緑化が語られるなんて、本当に情けないね。そこには緑に対する愛情が全く感じられないね。」 − ただの流行で終わるだろうと思われているようだった。

たしかに、緑化に代わる性能を持ったペンキでもできると、話題にも出てこなくなるかもしれない。
「僕は緑が好きだから、緑を植え、屋上緑化をしているのだよ。」 という言葉は、50年の実績を持つだけに重かった。

サスティナブルという言葉があるが、まさに持続可能な思想の持ち方、感性の持ち方が問われているように思われた。

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