横から見た建築・都市
   
 
 
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2006.06
 
 

大学生の終わり頃、渋谷にパルコができた。
この事が、我々学生の都市計画の概念を随分変えたように思う。

パルコ建設の戦略には石岡瑛子が参画し、画期的だったのは渋谷駅からパルコに至る道を「公園通り」と名付けた事であった。
渋谷では先行していた東急の東急百貨店通りに対抗したものではあったが、ここでは企業の存在をアピールするのではなく、通りのイメージを前面に出した。

人々は実際の都市を見るのではなく、石岡瑛子が描いたイメージの地図をなぞって、都市を歩くことになった。  通りの商店は、そのイメージを追うように姿を変えていった。
そうして、駅からはかなり離れて建っていたパルコは公園通りの中心として存在することとなった。

パルコの戦略は明らかに都市計画であった。

具体的な図面や物理的な施設が都市計画だと思って、それを学んでいた我々にはショッキングな出来事であった。

行政が展開する都市計画をよそ目に、一人の女性が描く都市像。
そして、それを追うようにダイナミックに変貌していく都市。
都市計画の空しさと、可能性の大きさを実感させられたできごとであった。

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