都市は建築物や構造物で出来上がっているように思いがちであるが、建築をやっている者に言わせると、そうでもない。
建築そのものも構築物のように一般には思われているが、われわれが作っているのは、構築物そのものではなくて、構築物がつくっている内部や外部、空間、光、影、その中での生活なのである。
同じように都市においても、建築物や構造物それらがつくっている空きのスペースこそが都市の本質なのである。
都市の生活や体験は、その「空きスペース」で展開されるのである。
そうした意味で「隙き間」といわれている部分は実は、都市そのものなのである。
であれば、隙き間をどうコントロールし、どうデザインしていくかが都市の最重要課題である。
立面率の法をかぶせることによって、「どのように建築をつくるか」から「どのように隙き間を作るか」 が建築の意義だということになれば、都市環境は一変するのではないだろうか。